2013年10月3日木曜日

死ぬことと見つけたり

私の好きなことば

”武士道とは、死ぬことと見つけたり”


これはすごいことばだなと思います。

実際の解釈は違うかもしれませんが、このことば、この境地は究極の大自由そのものではないでしょうか。


私は薬剤師として病に苦しむ人、懸命に生き長らえようとする人、死に直面する人、色んな人たちを見てきました。
その中で、みんな自分が何をどう生きて行けばよいのか全くわからないのだということを痛切に感じました。

死ぬことに恐怖し、生きることに不安し、今この瞬間を生きることができない。

必死に治療して、しかし気付けば治療することが目的となり、
いつしかなぜ治療しているのか、どう生きていきたいのかを全く見失ってしまいます。

病気のこと、治療のこと、薬のこと、不安に駆られてたくさん聞いてこられます。
その時、私は、
”治療することが目的ではないですよね、どう生きるかが先にあって、そのための治療ですよね”
と聞きます。
その瞬間、はっとして、”そうだった”と皆さんおっしゃいます。
けれど、すぐにまた日常に追われ、病への不安に囚われていってしまいます。

人は本当に今この瞬間を全力で生きることが難しい生き物です。
しかし、武士の”死ぬことと見つけたり”というのはそれを超えているのではないでしょうか。

自らの死に方が明確に見えた時、初めて生き方を決定できるのではないでしょうか。

自分がどう生きてどう死ぬのか、
それを明々白々に悟り知る時、今この瞬間、死にながらにして生きている。
それは生死への不安・恐怖を超えた状態であり、
だからこそ常に今この瞬間を全力で生きることができる。
過去からも未来からも自由で、かつ過去も未来も自由自在に創れる。
それこそが究極の自由な生き方ではないかと思います。

やっぱり武士って、侍って、すごいですね!
そんな不安も寂しさもない大自由の生き方・死に方を誰もができる時代を創っていきたいなと思います。

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