2015年11月10日火曜日

新幹線の中で出会ったおばあさん

滋賀へ帰る新幹線の中。

おばあさんが来て、

”隣空いてますか?”

溌剌とした笑顔に心ほっこり。

思わずそのまま話しかけちゃいました。

”お荷物たくさんですね”

また素敵な笑顔を返してくれて、自然と話が弾みました。

大阪で同窓会に参加してきて、名古屋のお家へ帰るところでした。

”最後の同窓会だから”

最後?
なんと!86歳だそうです!

はっきりした話し方、しっかりしたまなざし。

見えない~!
びっくり。

当時は女学校と言われていた時代。
戦争当時の様子を少し語ってくれました。

何もなくて、食べ物はみんなで分けて少しずつ食べて。
空襲の中、みんなでかばいながら走って逃げた。

”勉強は全然してません”

気持ちいいくらいスパッと言い切ったおばあさん。
勉強したくてもできなかった時代です。

その分、生き抜く心の力、みんなで力を合わせる関係性はとても身についたと言います。

”今は関係性が希薄で、お隣に誰が住んでいるのかもわからないですね”

私がそう話すと、力強くうなずかれました。

”昔はみんなで分け合って、助け合うのが普通だったけど”

力強いまなざしはそのままに、少し寂し気に語る横顔を見て、
私の心も動かされました。

”今は変化も早くてついていけない”

科学技術の進化。

それは私たちの生活を便利にしたけれど、ジェネレーションギャップは開くばかり。
世代を超えた疎通交流がますます難しくなる。
SNSなどを初めとして、疎通交流する便利さは増えても、
それと反比例するように、実際の人との距離は遠くなっている現状があります。

”体の衰えも、実際に体験してみないとわからないことがどうしてもある”

同窓会メンバーの中では一番元気だったと自負しているおばあさん。
今も舞踊を学んでいるそうです。
そんなミラクルにお元気なおばあさんでも、昔のように体が動かないことは当然あって。
自分自身に歯がゆさを感じると同時に、
子供達とそんな思いを共有できないもどかしさを話されました。

今の時代は、

おじいさんやおばあさんでも、
子供でも、
おじさんやおばさんでも、
若者でも、

みんな生きづらい。
分かち合えない、分かり合えない寂しさを抱えている。

”Aporia”

道のない時代。

陸、海、空、宇宙、インターネット、情報空間

あらゆる道を開発してきた人類が、ついに日本が先駆けとなって道が途絶えた。

だから新しい道は、日本から突破していかないといけない。

おばあさんと話しながら、

”早く、目覚めろ日本”

声にならない声が私の心に響いていました。

”早く、早く”

こんなおばあさんは、日本の誇りだと思います。
おばあさんが、今日見せてくれた笑顔を、人生の最後まで浮かべていられるように。
早く、誰もが心安心できる道を切り開きたい。

新幹線の中のわずか15分くらいの出会いが、
私の生きるエネルギーをさらに高めてくれました。

出会いってすごいですね。

おばあさん、ありがとうございます。



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