2017年2月1日水曜日

祈りの終わり

雲の向こう側に、漏れ出る太陽の光

わずかな光さえ生い茂る木々が隠す

いつもは賑やかな虫や動物たちは
葉音すら立てずに潜んでいる

キンと張りつめた大気

冷たい大地の上に
目を伏せ、静かに座る

真っ直ぐな背中は
微動だにしない

わずかな呼吸の動きだけが
その存在を知らしめる

もう始まりの時を忘れるほどに
幾度も繰り返してきた

ただ一本の道を守るために

祈り続ける

しかし今、ついに道は開かれた!

道の果てから、呼ぶ声が聞こえる
道の後ろから、押し上げる声が響く

行け!

時を知らしめろ!

伏せた目が見開かれ、道の向こう側を射抜く

こわばった体を解きほぐしながら
ゆっくり立ち上がる

大きく息をし、一歩踏み出す

一歩
一歩

心はやり
足が駈け出す

大地が踊る
空気が振動する
虫や動物たちが大合唱する

行こう!

祈りは終わった

進もう!

未来をつくるために

ただ歓喜だけがあるのだ

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